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小田原澪:合同会社++紙係(かみがかり)社員。 アーカイブ・文筆担当。地域資料のアーキビスト、記者として活躍。その能力を存分に活かし、++の活動のアーカイブを企てる。

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2013.4.8 1本も木のない山があるということ ☆ SMALL WOODのふるさとを訪ねて

こんにちは。
嵐の去った三鷹はいい天気です。
最近は「爆弾低気圧」といった、聞くだにおどろおどろしい異常気象が多いですね。幸い三鷹の我が家は何かが飛ばされたり壊れたりすることもなく、困ったことといえば自転車のかごにお弁当のごみを捨てられたぐらいで(ぜったい風で飛ばされてきたんじゃない、誰かが捨てていったんだ……むむむぅ)、穏やかな朝を迎えました。

各地で甚大な被害が出ているとニュースで見ました。
こういう異常気象のときでも東京では、いつもそれほど被害が出ないなと思います。もちろん被害はゼロではありませんし、首都であるために厚く対策がとられているのだと思いますが、最近は東京の風雨について考えるとき、裾野の都市部を見守るようにそびえる東京西部の多摩の山を想います。


3月25日の++NEWSの最後で触れた通り、3月22日、読売新聞の記者さんと、(有)沖倉製材所の沖倉喜彦“森の番長”、合同会社++の安田知代さんと一緒に、多摩の森の現状を知るために、

『多摩木材センター』
青梅で伐採中の『主伐現場』
そして『青梅貯木場』を見学してきました。
2013.4.8 1本も木のない山があるということ ☆ SMALL WOODのふるさとを訪ねて_b0285792_19413540.jpg
   …読売新聞で立川を拠点に取材している蔵本記者(左)と、沖倉番長、知代さん。蔵本さんは2013年3月22日日付読売新聞にSMALL WOOD TOKYOをご紹介くださいました! 記事はこちら


本当は案内役として沖倉番長と知代さんがいたので、私の出る幕ではなかったのですけれど、「どうしても青梅貯木場を見てみたいんです!」と懇願して、ついでに連れて行ってもらいました。
行ってよかった。SMALL WOOD TOKYOが材料としている、多摩の短い木・曲がった木・細い木、つまりSMALL WOODが、どこで生まれて、どうなっていくのか、SMALL WOODがたどる顛末がわかりましたから。


見学したところを順にご紹介します。


まず『多摩木材センター』

東京都唯一の原木市場です。唯一の、と聞いて、「え?」と思われる方、いらっしゃるかもしれません。とくに歴史に詳しい方ほど、「木場とか新木場とかじゃないの?」と。
ポイントは“原木”ということ。多摩木材センターに運び込まれるのは、材木じゃなくて、そもそもの丸太なんです。
2013.4.8 1本も木のない山があるということ ☆ SMALL WOODのふるさとを訪ねて_b0285792_19431984.jpg
どうです、この迫力。どっしりとまっすぐで、美しい色。ここから家の柱などができるんですね。ちなみにこの写真に写っているのはスギですが、ヒノキやその他の多摩の山で切られた“立派な”木材はここに集められ、毎月10日と25日に競りにかけられます。


間違いなく多摩の山で育った木である「多摩産材」の証として、「多」(○のなかに「多」の文字)の刻印を打つのですが、偶然その作業を見せていただくことができました。ラッキー♪

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   …コン、コンとリズミカルにいい音がしていました。



続いて訪れたのが、東京都の「花粉対策事業」の『主伐現場』

2013.4.8 1本も木のない山があるということ ☆ SMALL WOODのふるさとを訪ねて_b0285792_20102512.jpg
見上げるだけで足がすくむような急峻です。伐った木は手で運んだり、ましてや転がして下ろすなんて怖いことはできませんから、ロープを張って、ロープウェーの要領で下ろしてきます。写真は下ろしている最中ですが、わかりますか?

この写真を見て、みなさんはどう思いますか?
「ここにあの大雨が降ったんだ。土が流れなかったのかな。怖いなー」かもしれませんし、花粉症の方は「少なくともこれだけのスギが減ったのね。やれやれ」かもしれません。
私は伐り下ろされた木が細いことに、びっくりしました。若い木なのかな、と。後に若い木ではないことはわかったのですが、いろいろな太さがあることには驚きました。

そしてもう一枚。
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この一見ショベルカーのような重機の賢さと、扱ってる方の腕の良さに脱帽。これ、先端にチェーンとのこぎりがついているんです。つかみながら丸太は横に移動していって、移動するうちにチェーンが小枝を払っていくんです。そして2メートルの長さになったところで、のこぎりでカット。それを宙でやっちゃうんだから、すごいじゃないですか!
(実は迫力の動画も撮ったのですが、ここにどうやって載せたらいいのかわからないので、わかったらみなさんにお見せします!)

ちなみに「主伐」という言葉、私はこの日、初めて知りました。こういう状態は「皆伐」というのだとばかり思っていました。全部伐っているので「皆伐」とも言えるのですが、「主伐」というのは伐期に達した木を伐ることを指します。
「あの細い木も伐期に達してるって言うの?」と思われた方、恐れ入りますがもうしばらくレポートにお付き合いくださいませ。

あと、皆伐って「花粉対策事業」だからこそ行われること、と思っていましたが、実はそうでもないんだそうです。1本だけ伐ろうとしても、周りに木があると伐るのが難しいですし、木の間を縫って伐った木を運び下ろすのも大変だから(もちろん選別して伐るケースもあります)。なので、基本的には伐期に達した森は一気に主伐し、新しく苗を植えて、樹齢をそろえるのが通例だそうです。



3ヶ所目。『主伐現場』を後にして、最後に向かったのが『青梅貯木場』です。SMALL WOOD TOKYOの材料がここから来ることは、沖倉番長から聞いていましたので、ここにSMALL WOOD TOKYOの核心があるんじゃないかと、私はずっと気になっていました。以前に新聞記者をしていたときに培ったカンってやつですよ。たぶん。
2013.4.8 1本も木のない山があるということ ☆ SMALL WOODのふるさとを訪ねて_b0285792_19473844.jpg


ありました、ありました。山のようなSMALL WOOD。これらはB材(主に合板になる)、C材(合板にも加工しづらいような材で、主にチップになる)と呼ばれます。ちなみに建築材になるA材は、先に訪れた『多摩木材センター』に運ばれています。
太くて、十分に柱になりそうに見える木材も、よく見ると曲がっていたり、心が腐っていたりして、A材にはなりません。A材は4メートルの長さで市場に出ますが、B・C材は2メートルに切られています(曲がっている木が長いままだと扱いづらいから)。

「花粉対策事業」では、木が植えられてから30年以上経過して、花粉をたくさん出すようになった木のある山が対象になっています。そして木を伐るのに適した季節(伐り旬)もなにも関係なく、大量に伐り進められています。一時にたくさんの木材が『多摩木材センター』に並んだら、木材価格が値崩れしてしまうという事情もありますが、30年間育つ過程で、片や世間では木材離れが進み、木材が使われるところでも外国からの輸入材に押されてしまって、結果的に山の手入れがおぼつかなくなり、そうした末にSMALL WOODのような木が育ってしまって、建築材にならない木を専門に扱う『青梅貯木場』が開かれました。

つまり細い木も、30歳以上なんです。30年といえば、本来ならスギが柱や梁として役立つ大きさに育った、“伐期”を迎えるころ。

「大きくなったら、柱や梁になって、しっかり建物を支えるんだよ」と愛情をかけて植えられたのに、諸条件が重なって太くなれなかった木。太れなかったのは、社会情勢が変わったからであって、その社会情勢の変化は、木が育っている山ではなくて、どちらかというと人がたくさんいる都会で押し進められた価値観であり、せっかく伐期まで山で育ったにもかかわらず、建築材として役に立たないばかりか、「花粉を大量にまき散らす」と迷惑顔をされるようになったSMALL WOOD。

多摩地域には約5,700haの森があり、そのうちの約3,000haが人工林です(スギ:ヒノキ=2:1)。2006(平成18)年に始まった都の「花粉対策事業」では、年間100haずつ伐採する計画でしたが、木材の値崩れを防ぐほか、伐った木を全部利用するために計画は下方修正されています。

たしかに伐られた木は、全部利用されています。でも、丸太からかつらむきのように薄ーくそがれて、合板の表面にピタッと貼られて、それっぽい板になっていたり、燃料や紙になって、木としての面影を残さない姿に変わっていたり。もちろんそれらのニーズがあってこそ、無駄なく伐られたすべてが活用されるわけですが、植えた先人たちやSMALL WOOD自身は、柱や梁として活用されないことを悔やんではいないでしょうか。


みなさんはどう思いますか? 
このコース、3月28日に開いたSMALL WOOD TOKYOのワークショップでも同じ場所を訪ねました。私はこの日は参加できなかったのですけれど、こんど参加者に感想をうかがってみたいと思います。


最後に。
『主伐現場』に行ったときに、沖倉番長が撮った一枚とメッセージ。私はこの言葉から、森を想う番長の心意気を受け取りました。

  ☆   ☆   ☆   ☆   ☆

昨日(3月22日)は青梅の御岳の伐採現場に行ってきました。
皆伐を見ると、さらにスイッチが入ります!!
使うために植林したんですよね。
活かすために伐採するんですよね。
まずは近くの山からです。
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☆   ☆   ☆   ☆   ☆


SMALL WOOD TOKYOは、
SMALL WOODを【木材】として活かします!

by tassetasseLLC | 2013-04-08 20:02

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